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2018年2月7日

所得控除を理解して上手に節税しよう

税金を少しでも抑えるために知っておくべきこと_001
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大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

毎年、年末になると税制改正に関するニュースが数多く伝えられます。

所得税については、ここ数年、年収の高い会社員に対してより多くの負担を求める傾向があります。

会社員は所得税を計算する上で経費がほとんど認められていません。

そのため、自営業のように、経費を増やして節税することはできません。

しかし、所得控除を活用すれば、会社員でも税金を低く抑えることができます。

この記事では、所得税を節税するうえで知っておきたい所得控除についてご紹介します。

会社員だけでなく自営業の人にも役に立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。

所得税のしくみ

所得税は、一年間の「収入」から収入を得るのにかかった「必要経費」を差し引いた「所得」に対して課税されます。

下記の式で表すように、収入と所得はイコールではありません。

収入-必要経費=所得

自営業の場合は、納税者が自ら申告・納税するしくみになっています。

自分で一年間の収入と必要経費を計算して所得を申告するため、節税の余地が大きいという特徴があります。

所得が多くなりそうであれば、翌年に買う予定だった備品を年内に購入して所得を少なくするといった節税対策ができます。

会社員は経費にあたる金額が定められている

会社員の場合も所得税の基本的なしくみは同じで、収入から必要経費を差し引いた所得に対して課税されます。

収入-必要経費=所得

しかし、会社員は給料をもらうための必要経費と生活費が明確に区別しづらい面があります。

会社員が実際に仕事で必要になる経費のほとんどは会社が負担するため、必要経費はかからないと考えることもできます。

一方、仕事のために着るスーツの購入費用や新聞代などはほとんどが自己負担であり、これらの費用を必要経費に含めないのは不公平だと考えることもできます。

このような事情から、会社員をはじめ、公務員やパート・アルバイトで働く人も含めた給与所得者には、必要経費に代わるものとして「給与所得控除」が認められます。

給与所得控除は次の表のとおり、年収に応じて金額が定められています。

年収から給与所得控除額を引いたものが所得の金額になります。

年収-給与所得控除額=所得

表1:平成29年分の給与所得控除額

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

※収入金額が660万円未満の場合は、収入金額に応じて別表により給与所得控除額が定められていますが、おおよその金額は上記の算式で計算できます。

【引用元:国税庁「No.1410 給与所得控除」

このように、会社員は経費にあたる金額が給与所得控除として定められているため、自営業のような節税の余地はほとんどないといってもよいでしょう。

しかし、給与所得者が全く節税できないわけではありません。

このあと紹介する所得控除を活用することで会社員でも節税することができます。

(※会社員に必要経費を認める「特定支出控除」という制度もありますが、あまり実用的ではないためここでは割愛します。)

所得控除にはさまざまな種類がある

会社員であっても自営業であっても所得税は所得に対して課税されますが、実際には「所得」から「所得控除額」を差し引いた「課税所得」が課税の対象になります。

所得-所得控除額=課税所得

所得控除とは、家族構成や社会保険料の負担状況など納税者の個人的な事情を加味して、所得から一定の額を差し引くものです。

すべての納税者に認められる基礎控除のほか、配偶者控除や扶養控除、障害者控除など、家族構成に応じて控除されるものは人的控除と呼ばれます。

そのほか、社会保険料や生命保険料など特定の用途に支出したものについて、全額または一部の金額が控除できます。

会社員が節税に活用できる所得控除としては、次のようなものがあげられます。

  • 社会保険料控除(給与天引き以外で支払った場合など)
  • 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金も対象)
  • 生命保険料控除(医療保険、介護保険、個人年金の保険料も対象)
  • 地震保険料控除
  • 雑損控除(盗難や災害などの被害にあった場合)
  • 医療費控除(医療費が10万円以上かかった場合など)
  • 寄付金控除(ふるさと納税も対象)

年末調整で受けられる所得控除

配偶者控除や扶養控除などの人的控除や、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除は年末調整で控除が受けられます。

社会保険料控除は、通常は会社で計算されるため改めて届け出る必要はありません。

ただし、20歳を超えた子供の国民年金保険料を親が支払った場合や、転職などで一時的に社会保険料が給与天引きされなかった場合には届け出る必要があります。

2017年から加入範囲が拡大したiDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金も、本人の分に限り小規模企業共済等掛金控除の対象になります。忘れないように届け出ましょう。

確定申告が必要な所得控除

雑損控除、医療費控除、寄付金控除を受けるためには確定申告をしなければなりません。

医療費控除は同一生計の家族の分も含めた医療費が10万円(総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%)を超える場合に受けられます。

2017年からは、新たに医薬品の購入費が1万2,000円を超える場合も一定の条件のもとで控除が受けられるようになりました(セルフメディケーション税制)。

豪華な返礼品で人気を集めているふるさと納税も寄付金控除の対象になります。

ふるさと納税でワンストップ特例の手続きをして他に確定申告が必要な所得がない場合は、確定申告の必要はありません。

所得控除を上手に活用して節税対策

所得税は下の表のように、課税所得が多くなればなるほど税率が高くなります。

会社員でも所得控除を上手に活用することで、課税所得が少なくなり節税ができます。

今は所得がそれほど多くないという人でも、将来所得が多くなる可能性があれば、今のうちから所得控除で節税する習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

表2、所得税の速算表

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

【引用元:国税庁「No.2260 所得税の税率」