広告枠
    FinancialLabTOP > お金の一般常識を知る > 税金 > 総合課税とは?資産運用や副業を行うなら知っておきたい税金の仕組み
2018年3月17日

総合課税とは?資産運用や副業を行うなら知っておきたい税金の仕組み

総合課税って何?
The following two tabs change content below.
大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

会社に勤めていると、所得税などの税金は給料から天引きで支払うケースがほとんどだと思います。

そのため、「なぜこの金額を今自分が納めているのか?」に疑問を持つ方は少ないのではないかと思います。

しかし、今は資産運用の時代です。

会社の給料とは別に、不動産投資や株式投資などで運用して利益をあげている方や副業によって副収入を得ている方は多いのではないでしょうか。

こういった会社の給料とは別に得た利益については、自分で確定申告をし、税金を納付しなければなりません。

本記事では、そんな時のために知っておきたい総合課税など税金が課税される仕組みなどをわかりやすく解説いたします。

総合課税とは?

所得税は個人の1年間の所得に対して課税されます。

課税の対象になる所得には、給与収入だけでなく、副業収入や不動産投資、株式投資による利益なども含まれます。

特に副業収入や不動産投資の利益は、給与収入と合算して税額が計算されます。

このしくみを総合課税といいます。給与収入以外の所得がある場合は、会社員であっても確定申告をしなければなりません。

所得は給与だけではない

 所得税を計算するための所得は、下記の10種類に分けられています。

  • 給与所得:企業や官庁で勤めている人が勤務先からもらう給与・賞与による所得
  • 利子所得:主に預貯金の利子による所得
  • 配当所得:主に株式の配当や投資信託の収益分配金による所得
  • 不動産所得:主に土地・建物の賃貸による所得
  • 事業所得:自ら行う事業による所得(不動産賃貸による所得は不動産所得、山林の譲渡による所得は山林所得)
  • 退職所得:主に退職金による所得
  • 山林所得:山林を譲渡したことによる所得
  • 譲渡所得:土地、建物、有価証券などの譲渡による所得(山林の譲渡は除く)
  • 一時所得:懸賞の賞金や保険金などによる所得
  • 雑所得:公的年金や著述家・作家以外の人が受け取る原稿料・印税など上記の所得以外の所得

会社員にとっては給与所得以外の所得はなじみがないものですが、預金の利息は利子所得であり、退職したときは退職金が退職所得となります。

また、株取引で利益が出た場合は譲渡所得となり、不動産投資で得た利益は不動産所得または譲渡所得となります。

総合課税ではあらゆる所得を合算する

 総合課税では、上記10種類の所得のうち次のものを合算して所得を計算します。

  • 給与所得
  • 利子所得(源泉分離課税の対象になるもの、2016年以降の特定公社債等の利子は除く)
  • 配当所得(源泉分離課税の対象になるもの、確定申告をしないことを選択したもの、申告分離課税を選択したものを除く)
  • 不動産所得
  • 事業所得(株式の譲渡によるものを除く)
  • 譲渡所得(土地、建物、株式等の譲渡によるものを除く)
  • 一時所得(源泉分離課税の対象になるものを除く)
  • 雑所得(源泉分離課税の対象になるもの、株式等の譲渡によるものを除く)

これらの所得を合算した総所得金額から基礎控除や配偶者控除などの所得控除額を差し引いて課税所得を求めます。

所得税の税額は、課税所得に税率をかけて次のように計算されます。

課税所得=総所得金額-所得控除額

所得税の税額=課税所得×税率

総合課税では、税率が5%~45%の7段階で定められています。

所得のうち低い金額の部分には低い税率が、高い金額の部分には高い税率がかけられており、実際に税額を計算するときは、下記の速算表を使用します。

所得税の税額=課税所得×税率-控除額

表1、所得税の速算表

所得税早算表

【引用元:国税庁「No.2260 所得税の税率」

総合課税以外の課税方法

所得税の課税方法には、総合課税以外に源泉分離課税と申告分離課税があります。

源泉分離課税は他の所得と切り離して課税されるもので、預貯金の利子などを受け取るときに所得税が差し引かれることで納税が完結します。

申告分離課税は他の所得と切り離して課税されるものの、総合課税と同じように確定申告が必要です。退職所得、山林所得、不動産・株式等の譲渡所得などがあてはまります。

所得税は、総合課税で計算したものと申告分離課税で計算したものを合算して納税します。

所得税以外の税金

所得には所得税のほか、復興特別所得税と住民税(都道府県民税・市町村民税)が課税されます。税額は下記のとおり計算します。

復興特別所得税:所得税の額×2.1%

住民税:(総所得金額-所得控除額)×10%+均等割

復興特別所得税は、平成25年から49年までの所得税に上乗せして課税されます。

住民税の所得税控除額は所得税とは異なります。

均等割は市区町村によって異なりますが、およそ5,000円です。

会社員でも確定申告が必要な場合とは?

会社員などの給与所得者は給与から所得税が天引きされるため確定申告は不要ですが、次のような人は確定申告が必要になります。

  • 給与による年収が2,000万円を超える人
  • 給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える人
  • 2か所以上から給与を受けている人で、年末調整されなかった給与収入と給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える人

副業や不動産投資などで20万円を超える所得があった場合は、会社員であっても確定申告が必要になります。

注意!確定申告で副業収入が会社にバレることも

会社員が副業収入について確定申告すると、副業収入があることを会社に知られる場合があります。

これは住民税の徴収方法に原因があります。

所得税は当年分の見込み額が給与から源泉徴収され、年末調整で調整されます。

副業収入による所得については、自分で確定申告をして納税すればその年の分の納税は終了します。

一方、住民税は副業収入も含めた前年分の所得に基づく税額が会社に通知され、翌年に給与から源泉徴収されます。

副業収入を上乗せした税額が会社に通知されることで、副業収入が会社に知られる可能性があります。

たとえば、会社に同じぐらいの年収の人が何人かいて1人だけ住民税が高いようであれば、副業収入が疑われることになります。

会社に知られないようにする方法もあるが・・・

住民税については、会社に通知される税額を給与所得のものだけにする、つまり副業収入に関する税額が会社に通知されないようにすることもできます。

確定申告をするときに、申告書の第二表にある「給与所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」の欄で、「自分で納付」のところに○印をつけます。

ただしこの方法も万能ではありません。「自分で納付」のところに○印をつけたにもかかわらず、事務手続きのミスで副業収入を上乗せした税額が会社に通知されることもないとはいえません。

このように、副業収入があれば会社に知られる可能性が出てきます。会社に知られた場合に備えて、事情を説明できるように準備しておくことも必要です。

なお、副業収入が会社に知られることを恐れて確定申告をしなければ、脱税したことになるので十分に注意しましょう。

副業や資産運用を行うなら税の知識をつけておこう

今回ご説明した通り、会社員と言えども副業や資産運用などで会社とは別の収入を得るのが当たり前の時代になってきています。

不動産投資や、株式投資、今流行りの仮想通貨取引などで会社とは別の収入を得ているという方も多いのではないでしょうか。

今現在副業や資産運用をやっている、もしくは今後やってみようと考えている方は、最低限の税の知識をつけておくようにしましょう。