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2018年3月17日

貯蓄と貯金、預金の違いとは?

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大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

「お金を貯める」という意味で使われる「貯蓄」「貯金」「預金」。

同じような意味で使われることが多い言葉ですが、実はそれぞれ違った意味をもっています。

ここでは、そんな私たちが普段意識せずに使っている「貯蓄」「貯金」「預金」の意味の違いについて詳しく解説していきます。

貯蓄と貯金、預金の違い

「貯めるものが一体何なのか?何を指すのか?」によって貯蓄と貯金、預金は意味が表1のように異なります。

表1、貯蓄と貯金、預金、それぞれ貯めるものが何なのかの違い

  貯めるもの
貯蓄 金融資産(預金、貯金、有価証券、投資信託、不動産、保険、個人年金など)すべて
貯金 お金
預金 お金

つまり、上表から「貯金」と「預金」は呼び方は違えども、同じ「お金」を貯めるという意味で使われる呼び方なのです。

一方で「貯蓄」は「貯金」や「預金」を含めた資産全体を貯めるという意味で使われる呼び方です。

つまり、貯蓄はお金にフォーカスした貯金や預金よりももっと大きなくくりの言葉なのです。

貯金と預金の違い

「貯金」と「預金」はお金を貯めるという全く同じ意味を持つ言葉です。

その違いは表2のように「お金をどこに貯めるか?」にあります。

表2、貯金と預金、それぞれお金をどこに貯めるかの違い

  どこに貯めるか
貯金 ゆうちょ銀行、農協(JAバンク)、漁協(JAマリンバンク)
預金 ゆうちょ銀行、農協(JAバンク)、漁協(JAマリンバンク)以外の金融機関(銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫)

このように「貯金」はゆうちょ銀行や農協、漁協にお金を預けることを指す言葉で、それ以外の金融機関にお金を預けることを「預金」と呼びます。

なぜこのように呼び方の使い分けがされているのか?その理由は、ゆうちょ銀行などの大元となった郵便貯金、また銀行の成り立ちや役割の違いを見て行くと分かります

郵便貯金が始まったのは1875年(明治8年)です。

国が「貯金の推奨」と共に、一般庶民一人ひとりのお金を集めてそれらを国の政策のために使おうと始まったのが郵便貯金です。

一方で、銀行が始まったのは1873年(明治6年)です。

資本主義の発展に伴い、商人や企業などからお金を集めて、大手企業などに融資を行い運用するという形で広がっていきました。

つまり「貯金」と「預金」はその成り立ちや集めたお金おの運用先などによって表3のように使い分けられていたのです。

表3、貯金、預金それぞれの預ける人と運用先の違い

  運営元 預ける人 運用先
貯金 郵便貯金(今現在のゆうちょ銀行、JAバンク、JAマリンバンクの大元) 一般庶民などが多数 国の政策など
預金 郵便貯金以外の金融機関 商人、企業などが多数 一般企業への融資

銀行は「商人や企業などから預かったお金」という意味で「預金(deposit)」、郵便貯金は「一般庶民が貯めたお金」という意味で「貯金(saving)」という言葉が使われるようになったと言います。

また、預金には、銀行などが倒産した時に1金融機関につき1,000万円までの元本とその利子が保証される預金保険制度があります。

一方で、貯金にも同様の貯金保険制度があります。

ゆうちょ銀行はもともと国が運営していた「郵便貯金」から民営化してしまったため、貯金保険制度ではなく預金保険制度が適用されています。

そのため今現在、貯金保険制度が適応されるのは、JAバンク、JAマリンバンクのみになっています。

このように万一の際の保険制度の違いも「貯金」と「預金」にはあるのです。

貯蓄と貯資産の違い

近年、貯金や預金だけでは将来の資産形成は難しいと言われるようになってから生まれた言葉が「貯資産」です。

意味としては、「資産を貯める」という意味で「貯蓄」と全く同じ意味です。

なぜ、この言葉が生まれたのか?それは「貯蓄」よりも「貯資産」の方が分かりやすいからです。

近年「貯蓄」は「貯金」や「預金」と同じ意味で使われることが多く、「貯蓄」本来の意味が間違って認識されてしまっています。

そのため、より分かりやすい「貯資産」という呼び方が生まれました。

また、近年はインフレや消費税増税、社会保障制度崩壊の可能性など将来への不安から「貯金や預金ではなく資産運用の必要性」が一般的に認識されるようになりました。

「資産運用」という言葉の重要性などが広まったということも「貯資産」という言葉が生まれた大きな理由の一つです。

言葉はいつも時代の要請によって生まれます。

「貯金」や「預金」などの言葉も時代の流れによって生まれたと考えると、「貯資産」という言葉が生まれたという事は、時代が「お金を貯める」時代から「資産を貯める時代」に大きくシフトしてきているという事を表していると考えられます。

お金を貯める時代から資産を貯める時代に

私たちはこれまで「貯金」や「預金」が善と教育されて生きてきました。

そのため、何の疑いもなく「貯金」や「預金」をすることこそが将来の備えになると信じて行なってきました。

しかし、「貯資産」という言葉の誕生からも分かるように、時代は「貯金」や「預金」の時代から「貯資産(貯蓄)」の時代にシフトしてきています。

今後、インフレ政策(2%目標)によって現金の価値は定期預金の金利よりもはるかに大きな割合で下がってくることが予想されます。

また、同時に消費税増税や社会保証制度崩壊の可能性から出費は大きくなっていくことでしょう。

つまり、「貯金」や「預金」など現金ベースの資産形成だけでは今後の状況は反比例のように悪くなっていく事が予想されます。

現金は現金を産んでくれない資産です。定期預金を1,000万円、10年間していたとしても今の利率では、10,000円しか増えません。

こんな低金利時代、また今後待ち受けるインフレ時代を力強く生きていくためには、もっと将来的に現金を増やしてくれるような、現金ベースではない貯資産を検討していく事が必要不可欠になります。

麻生財務大臣や日銀の黒田総裁など国を動かす人もそう断言しています。

つまりは今後は「貯金」や「預金」という言葉ではなく、「貯資産(貯蓄)」という言葉が一般的になる時代がくるという事です。

そんな時代に合わせてしっかりと準備をしておく事が大切になってくるのです。