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2018年3月17日

財形年金貯蓄と確定拠出年金はどちらが資産形成にはベスト?

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大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

今現在老後資金作り専用の資産形成方法として注目されているのが確定拠出年金です。

同じく老後資金作り専用の資産形成方法として知られているのが財形年金貯蓄です。

一体どちらを利用するのが老後の資産形成にとってお得なのでしょうか。

本記事では、そんな似たような制度である財形年金貯蓄と確定拠出年金それぞれにどのようなメリット・デメリットがあり、実際どちらを利用した方が良いのか、について詳しく解説していきます。

確定拠出年金とは?

確定拠出年金とは、毎月一定金額を拠出して専用口座に積み立て、それを自分自身で運用することで増やしていく年金の仕組みです。

積み立てたお金が一定の利率で増えていく訳ではなく、自分の運用次第で将来の受け取り金額が変わる点が最大の特徴です。

最近では企業の年金制度としても確定拠出年金を採用しているところも増えています。

基本的に確定拠出年金によって積み立て運用されたお金は、60歳まで受け取れません。

※掛け金の拠出期間が1ヶ月以上3年以下もしくは少額である場合や転職など特別な理由によって確定拠出年金制度に加入ができなかった場合などには脱退一時金として戻って来る可能性はありますが、基本的に60歳まで受け取ることができません。

財形年金貯蓄と確定拠出年金ideco(401k)の違い

確定拠出年金には企業型、個人型(ideco)という2種類が存在し、また同じような老後資金専用の資金形成方法として、財形貯蓄の1種である財形年金貯蓄があります。

財形年金貯蓄は、毎月一定額を積み立て、それを5年以上続けることで、指定した年から年金という形式でお金が支払われるという制度です。

どちらも将来の年金を補填する似たような制度ではありますが、次のような違いがあります。

表1、確定拠出年金と財形年金貯蓄の違い

  【企業型】確定拠出年金 【個人型】確定拠出年金ideco(401k) 財形年金貯蓄
加入資格 勤務先の企業が導入している場合に加入可能 基本的には誰でも加入可能(※公務員は個人型への加入となる) 勤務先の企業が導入している場合のみ加入可能
掛け金の上限
  • 確定拠出年金のみ、もしくは退職一時金、中小企業退職金共済を導入している場合:月額5.5万円
  • 確定拠出年金の他に確定給付企業年金、厚生年金基金を導入している場合:月額2.75万円
  • 第一号被保険者:月額6.8万円
  • 第二号被保険者(企業型確定拠出年金を未導入の企業に勤務):月額2.3万円
  • 第二号被保険者(企業型確定拠出年金を導入済の企業に勤務):月額2万円
  • 確定給付企業年金加入者、公務員:月額1.2万円
  • 第三号被保険者:月額2.3万円
特に上限無し
金利 運用方法によって異なる(※〜5%程度) 運用方法によって異なる(※〜5%程度) 定期預金レベル(※0.01%程度)
積立期間 5年以上 5年以上 5年以上
受給開始 満60歳以上で受給開始(※3) 満60歳以上で受給開始(※3) 満60歳以上で受給開始
途中解約

基本的に途中解約はできません。しかし、ある一定の条件を満たしている場合のみ脱退一時金として受け取れる可能性があります。

  1. 資産が1万5,000円以下
  2. 企業型年金加入者の資格の喪失日翌月から6ヶ月以内
  3. 企業型年金加入者、企業型運用指図者、個人型年金加入者、個人型年金運用指図者ではない

基本的に途中解約はできません。しかし、ある一定の条件を満たしている場合のみ脱退一時金として受け取れる可能性があります。

  1. 国民年金保険料の全額免除
  2. 障害給付金の受給権者ではない
  3. 拠出期間3年以下もしくは資産が25万円以下
  4. 確定拠出年金の資格の喪失日から2年以内
  5. 企業型確定拠出年金の資格喪失時に脱退一時金を未受給

年金以外の払い戻しの場合、課税の対象になります。

  • 保険型:(差益-50万円)の50%が総合課税
  • 貯蓄型:過去5年間の利子に20.135%が課税

やむを得ない事情で払い戻しの場合には非課税になります。

税制
  • 掛け金拠出時:掛け金は全額控除
  • 運用時:非課税(※4)
  • 給付時(年金として受給する場合):標準年金額まで非課税
  • 給付時(一時金として受給する場合):退職所得控除適応
  • 掛け金拠出時:掛け金は全額控除
  • 運用時:非課税(※4)
  • 給付時(年金として受給する場合):標準年金額まで非課税
  • 給付時(一時金として受給する場合):退職所得控除適応
財形住宅貯蓄と合算した550万円が非課税

※1:個人型年金の加入が可能な場合:月額35,000円
※2:個人型年金の加入が可能な場合:月額15,500円
※3:満60歳の段階で時加入期間が10年に満たない場合には、受給開始年齢が引き延ばされる
※4:本来特別法人課税が適用されるが、平成31年度まで凍結されている

確定拠出年金と財形年金貯蓄のメリット・デメリット

確定拠出年金に比べると財形年金貯蓄には途中解約が可能(※年金目的以外の払い戻しが課税される)である事以外、特にメリットがありません。

確かに、確定拠出年金の方が、自分で運用できる一方で減ってしまうリスクもありますが、財形年金貯蓄は定期預金レベルの利率ですが、着実に増えていくため、受け取れる金額がある程度把握できるという安心感はあります。

しかし、定期預金レベル(※今現在では0,01%程度)では、例え毎月100万円を1年運用したとして増やせる金額は100円程度です。

これでは全く意味がありません。

一方で確定拠出年金では、運用のやり方によっては5%程度まで利回りを増やすことができるため、資産運用として十分活用することができます。

もし金利0.01%レベルの財形年金貯蓄をやるのであれば、また、最低金利保証0.05%の日本国債の方がまだましです。

さらには税制面でも全面的に確定拠出年金の方が有利ですので、もしどちらか一方を選ぶのであれば、確定拠出年金の方がお得です。

しかし、確定拠出年金はほとんどの場合途中解約ができないというデメリットもあります。その点財形年金貯蓄は課税はされてしまうものの途中解約ができます。

そのため途中で解約する可能性がある方は財形年金貯蓄、それ以外の方は確定拠出年金を選ぶのがおすすめです。

実際に解約できなかった確定拠出年金

ある方が実際に5年間勤めた会社を退職されたAさんに実際に起きた実話を1つご紹介します。

Aさんは入社時から退職一時金と併用という形で企業型確定拠出年金に加入していました。

しかし、5年後に退職し、個人事業主として活動を始めました。

数週間後、個人事業主として資金が必要だったAさんは、確定拠出年金口座にすでに70万円程度の資金が溜まっている事が分かり、すぐに解約の電話をしたんだそうです。

しかし拠出期間が3年以上あったことから途中の払い戻しが認められず、選択肢は「確定拠出年金を個人型に移して続けるかどうか?」一択だったそうです。

続けない場合には、その70万円は満60歳まで支払いは原則行えないとの事でした。

「それじゃあ、その70万円意味ないじゃん!」

個人事業主となりお金に困っていたが故に、この途中払い戻しができないという確定拠出年金の制度に腹が立ったのだそうです。

このように、確定拠出年金は非常に魅力的な制度ではありますが、途中解約できないというリスクは非常に大きいので、自分の生活が切迫している状態(途中で払い戻しをする可能性がある場合)は無理をして加入する事はおすすめしません。

また、掛け金も帰って来なくても良い無理のない金額で行うことが重要です。

確定拠出年金も魅力的!でも将来の資産形成には不十分

将来的な資産形成方法としては確定拠出年金のほうが財形年金貯蓄に比べて圧倒的に有利です。

しかし、途中解約できないというリスクは非常に大きいので、掛け金は無理のない金額で行うことが大切です。

また、もっと踏み込んで言えば、確かに確定拠出年金は資産運用として魅力的な制度ではありますが、それだけでは老後までに十分な資産形成を行うのは難しいと言えます。

会社員という信用度と長期投資ができるというメリットを最大限活かし、より堅実に、かつ十分な資産形成を行える不動産投資や株式投資(長期投資)など他の資産形成方法も検討していく必要があります。

実は会社員というメリットは非常に資産形成に有効なのですが、それをおよそ9割の方が活かしきれていません。

ファイナンシャルラボでは、こういった資産形成に関する情報発信の他に、動画で資産運用について学ぶことができるサービスも安価で提供しているので、ぜひみなさんの将来の資産運用に向けた勉強の選択肢の1つとしてフル活用してみてください。