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2018年3月17日

確定拠出年金のメリットとデメリットとについて徹底解説

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大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

2001年10月に確定拠出年金法が施行されてから、約20年ほどが経ちました。

確定拠出年金は、雇用する従業員を対象に企業が独自に運営する企業型として始まり、近年には「iDeCo」の愛称で知られる個人型も登場しました。

今回は、そんな企業型と個人型の確定拠出年金、それぞれのメリットとデメリットについて解説いたします。

確定拠出年金とは?

確定拠出年金は、企業や加入者本人が毎月、一定の金額を拠出し、金融機関が提供する商品を通して運用し、最終的に年金として受け取るものです。

特定の口座にお金を積み立てるところは定期預金と似ていますが、お金を途中で引き出すことができず、原則として60歳まで受け取ることができません。

また、掛け金(拠出額)はあらかじめ決まっていますが、将来的に受け取れる額は運用の結果次第で変わります。

その一方、他の投資と異なり、確定拠出年金の運用益には課税対象とならないというメリットがあります。

確定拠出年金には企業型と個人型がある

確定拠出年金には、企業型と個人型があります。ひと言でいうと、企業が掛け金を負担し、企業が定めたルールに則って加入者がお金を運用するのが企業型、加入者自らが掛け金を負担し、運用するのが個人型です。

では、それぞれの確定拠出年金のメリット・デメリットについて見てみましょう。

企業型確定拠出年金について

企業型確定拠出年金のメリット

企業型確定拠出年金のメリットとしては主に次の5つが挙げられます。

企業が掛け金を負担する

確定拠出年金の一番のメリットは、掛け金を個人が負担しなくて済むことです。

自分が支払わなくても年金の受け取り額が増えることになります。

企業が手数料を負担する

確定拠出年金を運用する際、口座を管理するための事務手数料、資産管理手数料、運営手数料が発生します。

企業型の場合、これらの手数料を事業主と加入者のどちらが払うのかは規約によって定められていますが、事業主が負担するのが一般的です。

社会保険料や税金は増えない

企業型確定拠出年金の事業主掛け金は、給与には含まれません。

社会保険料や税金を決定する際に基準とされる報酬と見なされないため、数字上は企業から受け取る額が増えますが、社会保険料や税金の負担は増えません。

手続きは企業が行う

企業が主体となって実施するので、加入や商品を乗り換える際の手続きは、すべて企業が行います。

マッチング拠出制度を利用した場合、拠出金の額を増やせるうえに加入者が拠出した掛け金も所得控除となる

企業型確定拠出年金には、事業主が拠出する掛け金に加えて、加入者が自らの資金で拠出金を上乗せできる制度があります。

これが、マッチング拠出制度と呼ばれるものです。

マッチング拠出制度を使って拠出金を上乗せする場合には、次の2点が求められます。

  • 事業主による掛け金を超えない範囲であること
  • 拠出する限度額の枠内であること

確定拠出年金は、企業型にしろ、個人型にしろ、毎月の拠出限度額が定められています。

企業型の拠出額上限は、厚生年金基金や確定給付企業年金に加入している人の場合は27,500円、これらに加入していない人の場合は55,000円です。

マッチング拠出制度を利用した場合、企業からの拠出金が下限の27,500円以下だとしても、その倍額まで拠出金を増やすことができます。

拠出金が増えれば、運用するうえで有利に働きます。

また、マッチング拠出で加入者が拠出した掛け金は全額が所得控除の対象となります。

企業型確定拠出年金のデメリット

メリットの多い企業型確定拠出年金ですが、一方で次の3点のようなデメリットもあります。

運営管理機関を自分で選ぶことができない

企業型確定拠出年金の場合、金融商品を提供する運営管理機関を決定するのは事業主です。

加入者は、提示された金融商品の中から選ぶことになりますが、選択肢がある程度限定されてしまいます。

受給権が付与されるまでに最低3年の勤続が必要

企業型確定拠出年金に加入している会社を3年未満で退社した場合、企業型確定拠出年金の掛け金は事業主に返還されます。

つまり、せっかく運用してきた年金を受け取れなくなってしまうのです。

勤続3年で受給権が確保されますので、転職を考える際には注意が必要です。

転職時は自動移換されないように注意が必要

3年以上勤続しても、退社する際には運営管理機関を移換する手続きが必要となります。

これは、転職せずに自営業やフリーランスになり、個人型確定拠出年金に移換する場合にも当てはまります。

移管手続きをしないままでいると国民年金基金連合会に自動移換されますが、拠出金の運用をしていないにもかかわらず手数料だけが取られてしまい、不利益を被る可能性があります。

忘れずに、他の企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金への移管手続きを行いましょう。

企業型確定拠出年金はこんな人におすすめ

導入を決めるのは事業主ですので、個人的に加入したいと思ったところで難しい場合もあるでしょう。

とはいえ、勤めている企業が企業型拠出年金に加入するか否かを個人に任せている場合なら、ぜひ検討したいところです。

企業型拠出年金は、十分な元手がないけれど投資をしたい人、投資初心者の人におすすめです。

運営管理機関を自分で選べないという不自由さはありますが、選択肢が多すぎても金融商品を選びにくいもの。ある程度の制約がある中から選んでも、さしたる問題はないのではないでしょうか。

また、いったん金融商品を選んだあとでも、定期的に拠出額や金融商品そのものを見直すチャンスがあり、その時期は企業側が知らせてくれるはずです。

変更したい場合に手続きをすべて企業が行ってくれることも、投資初心者には大きなメリットでしょう。

個人型確定拠出年金について

個人型確定拠出年金のメリット

個人型確定拠出年金のメリットは次の5つです。

専業主婦や公務員も加入できる

もともとは自営業者や企業年金制度が用意されていない会社に勤めている人のために制度だった個人型確定拠出年金ですが、2017年1月以降、20歳以上60歳未満の専業主婦や公務員も加入できるようになりました。

また、一般企業に勤めていて、企業型確定拠出年金に加入している人でも、マッチング拠出制度がなく、個人型に加入できる規約がある人なら加入することができます。

掛け金は全額、所得控除の対象になる

毎月の拠出限度額は、自営業者の場合で68,000円、厚生年金基金や確定給付企業年金に加入していて会社に勤めている人の場合は23,000円ですが、この金額はすべて所得と見なされません。

その節税効果はなかなか大きいと言えるでしょう。

運用益は非課税

一般的な金融商品の場合、運用で得られた利益には源泉分離課税が課せられます。

それに対して、個人型確定拠出年金は運用益が非課税です。

利益が目減りすることなく、そのまま受け取ることができます。

なお、運用益が非課税になる金融商品としてはNISAがありますが、こちらは投資期間が5年間に限定されています。

その点、個人型確定拠出年金は加入してから60歳まで運用することができ、しかも運用期間を最大10年間延長することが可能です。

受け取り時にも控除が受けられる

掛け金を受け取る場合は所得扱いになりますが、税務上の控除が受けられます。

年金として受け取る場合は他の公的年金と合算して公的年金等控除が、 一時金で受け取る場合は退職金などと合算して退職所得控除が適用されます。

自己破産しても財産として保護される

確定型拠出年金は「確定拠出年金法」第32条によって「給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない」と定められています。

つまり、自営業者が事業に失敗して破産したとしても、個人型確定拠出年金の掛け金は保護されるのです。

個人型確定拠出年金のデメリット

一方で、個人型確定拠出年金にも次の2点のようなデメリットが存在します。

60歳まで解約することができない

個人型確定拠出年金は、老後の生活資金づくりを目的としたと資産運用と位置付けられています。

そのため、いったん加入したら、月々の掛け金を減額することはできますが、60歳を迎えるまで解約することはできません。

毎月、一定額の手数料を払わなければならない

個人型確定拠出年金の運用には、毎月、一定額の手数料がかかります。

手数料のうち、加入時に国民年金基金連合会(資産管理機関であり事務委託先金融機関)へ支払うものは金額が決まっていますが、口座管理手数料として運営管理機関に支払う金額は、金融機関によって異なります。

加入期間が長くなればなるほど、ひと月あたりに支払う額が大きく響いてきます。

個人型確定拠出年金はこんな人におすすめ

自営業の人や個人事業主、勤めている企業に何らかの年金制度がない人におすすめです。

税金上の優遇措置が効いていますし、万が一自己破産してしまっても保護されるというのは、リスクをとって事業を営んでいる人にとって心強いのではないでしょうか。

また、企業型確定拠出年金や確定給付企業年金などに加入している人でも資金に余力があるなら、加入を検討したいところです。

自身の状況に合わせて適切な方を選択しよう

確定拠出型年金は、いったん加入すると、何十年という長い期間をかけて掛け金を運用することになります。

加入するのであれば、自身の状況と照らし合わせるとともに今回ご紹介したメリット・デメリットを考慮して、自身の状況に合わせて確定拠出型年金の加入を検討していくようにしましょう。