広告枠
    FinancialLabTOP > お金の一般常識を知る > 借金 > 親に借金がある場合には要注意!知って置くべき相続対策
2018年3月17日

親に借金がある場合には要注意!知って置くべき相続対策

The following two tabs change content below.
大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

相続と聞くと、親から預貯金や持ち家、土地、有価証券など財産だけを引き継ぐことができると考えがちですが、同時に親が持つ借金や債務なども引き継がなければなりません。

そのため親に隠れ借金や債務などがあった場合、相続と同時に金融機関から催促状がきて初めて借金の存在を知るというケースもよくあることなのです。

また、土地や不動産など金額の大きな資産を引き継ぐ場合、多額の相続税がかかってきてしまい、結果的に損を被ってしまうケースも珍しくありません。

相続と聞くと、つい「先の事」と考えてしまいがちですが、親がご存命の今だからこそいざという時のために相続対策をしておくことが大切です。

知らず知らずのうちに相続をして損をしてしまわないためにも、また相続によって息子や娘に損をさせてしまわないためにも、本記事では事前に知っておくべき相続対策について具体的な事例を交えながらご紹介します。

相続されるのはプラスの資産だけではない

相続が発生するのは親の持つプラスの資産(預貯金、土地、不動産、有価証券など)だけではありません。

例えば、親に住宅ローンや自動車ローンなどの残債があった場合には、相続によってプラスの資産と同時に親の持つマイナスの資産も自動的に引き継がなければならないという原則があります。

例えば相続が発生する可能性がある「プラスの資産」と「マイナスの資産」には主に次のようなものがあります。

表1、プラスとマイナスの資産例

プラスの資産 マイナスの資産
  • 手持ちの現金
  • 預貯金
  • 土地・不動産
  • 有価証券
  • 債券(国債・地方債・社債など)
  • 退職金
  • 保険金
  • ローン(住宅・自動車など)
  • 借入金
  • 未払い税金
  • 未払い医療費
  • 預かりの敷金や保証金など
  • 損害賠償金

【相続の基礎知識】相続には3つの方法がある!

相続手続きには、次表のように「単純承認」「相続放棄」「限定承認」という3つの方法があります。

親などが亡くなり、相続が発生した場合、この3つの方法のうちどれか選択をしなければなりません。

相続放棄が選択できるのは、自分が被相続人であることを知ってから3ヶ月以内です。これだけ期限が定められています。(※事前に家庭裁判所に3ヶ月以内という期間の延長を申し立てることも可能です)

そのため、3ヶ月以内にこの3つの方法のうちどれかを選択しなければなりません。

なぜなら、相続手続きなどを何もしなければ自動的に単純承認になってプラス・マイナスすべての資産を相続するとみなされてしまうからです。

表2、相続の方法とそれぞれの手続き期限

相続の方法 相続される資産 手続き期限
単純承認 プラス・マイナスの資産すべて 特になし(※相続放棄、限定承認の期限内に何もしなかった場合、その期間中になんの深刻もなしに両親の財産を売却した場合には単純承認とみなされる)
相続放棄 無し 自身が被相続人であることが判明してから3ヶ月以内
限定承認 プラスの資産とマイナスの資産(※ただし、マイナスの資産はプラスの資産で賄える分だけ負担する。そのため被相続人個人の財産にまで影響はしない) 自身が被相続人であることが判明してから3ヶ月以内

相続で損をしないためにやっておくべきは事前の資産確認

これまでご紹介してきた通り、相続手続きには期限があります。

また、相続手続きは非常に複雑で、さらには提出書類や必要な手続きが山のようにあります。

「単純承認」「相続放棄」「限定承認」という3つの方法のうちどれを選択すべきかを、素早く判断し、手続きをすすめなければ間に合わなくなる事も十分考えられる話です。

そのため、相続で損をしないためには、事前にご両親のプラスの資産、マイナスの資産を把握しておくことが何より大切です。

そして次のように、プラスの資産とマイナスの資産のどちらが多いのかを事前に計算しておきましょう。

ご両親の財産を項目別に記載した「相続財産目録」を作成しておくと便利です。

Web上などで雛形もたくさん配布されているので、ぜひ参考にしてみてください。

親の財産が確認できない場合はどう判断すべき?

中には、ご両親が資産をきちんと管理していなかったり、「相続財産目録」などを作成していなかったり、また病気などなんらかの事情で親とコミュニケーションをとることが難しい場合も考えられます。

そういった場合には、弁護士や行政書士などの専門家に資産確認を依頼する事で、プラスの資産、マイナスの資産を確認することができます。また、かなりの労力がかかりますがご自身で資産調査をすることも可能です。

また、もし仮にそういった財産の確認が全くできていない場合には、単純承認だとリスクが大きすぎるため限定承認を選択しましょう。

限定承認手続きをすることで、たとえ親にマイナスの資産がどれだけあったとしても、プラスの資産で賄える分のみを相続することができます。

ただし、相続税などでマイナスになってしまうケースも十分に考えられるので、「そういったリスクを全くとりたくない、でも親の資産状況が把握できない」という場合には、事前に専門家に調査を依頼するか、相続放棄を選択しましょう。(※3ヶ月以内に資産状況をすべて把握するのは、専門家でも難しいこともあります。事前の確認しておいた方がベターです)

相続税の確認も忘れずに!

たとえプラスの資産が多かったとしても、それを相続するためには相続税がかかってきます。

相続税は現金一括納付が原則です。(申請すれば分納・物納・延納することも可能です)

例えば不動産のように数千万〜数億円規模の資産を相続するためには、多額の相続税がかかってきてしまいます。それを現金で一括納付しなければならないのです。

そのため、プラスの資産とマイナスの資産のどちらが多いのかを考えるだけではなく、結果的に相続する財産にどれだけ相続税がかかるのも確認しておく必要があります。

相続税の計算はご自身でもできますが、税理士など専門家に財産確認などと合わせてお願いした方が確実です。

相続で損をしないためには?

相続で損をしないためには、次の3つの項目をしっかりと事前確認しておくことが大切です。正確に確認することが難しい場合には、ざっくりとでも構いません。

  • プラスの資産とマイナスの資産のどちらが多いのか?
  • 相続税がどれくらいかかるか?
  • 最終的に「プラスの資産ーマイナスの資産ー相続税」がプラスになるかどうか

これを考えた上で「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つのうち、どの相続方法を選択するのかを考えていきましょう。