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2018年3月17日

奨学金による借金返済が難しい時には一体どうすればいいのか?

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大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

私たちにとって身近な借金の一つが「奨学金」です。

奨学金とは、高校や大学などの学費を貸与する制度の事です。

奨学金を運営する独立行政法人「日本学生支援機構」が平成29年3月に発表したIR資料によれば、奨学金を利用する人の数は全学生(※高校生、大学生、大学院生、専門学校生の総数)2.6人に1人となっており、奨学金を利用する人の数は年々増加傾向にあります。

一方で奨学金利用者増加に伴い、奨学金返済に苦しむ人が増加しています。

「奨学金破産」という言葉が近年ニュースで話題に取り上げられ話題となったことは記憶に新しいと思います。

実際に、奨学金の返済に困窮し、自己破産にまで追い込まれてしまう最悪のケースがこれまでで累計1万件以上にのぼっていることがNHKクローズアップ現代によって明らかになりました。

奨学金を借りている大学生は今や2人に1人。しかし、奨学金を借りても返せない人が増加、自己破産にまで追い込まれるケースが累計1万件以上にのぼっている。

【引用元:NHKクローズアップ現代No.26「”奨学金破産”の連鎖で一家破産!?」

本記事では、奨学金返済に困窮した場合にどう対処していくべきなのか、対処法についてご紹介いたします。

奨学金の返済に困窮する人の割合は約4.3%

奨学金を運営する独立行政法人「日本学生支援機構」が行なった「平成27年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」によれば、平成27年度末の時点で、奨学金の返済を行なっている人の数は約381万人であり、3ヶ月以上の延滞をしている人の数は約16.4万人に上るそうです。

表1:奨学金の返済状況(平成27年度)

返還を要する者(返還期日到来分のみ) 3,811,494人
返還している者 3,483,981人
1日以上の延滞者 327,512人
3ヶ月以上の延滞者 164,635人

【参考元:独立行政法人日本学生支援機構「平成27年度奨学金の返還者に関する属性調査結果

実に全返済者の約4.3%の方が奨学金の返済に困窮しているという事がこの調査結果から見て取れます。

では、実際に奨学金の返済に困った場合にはどう対処していけば良いのでしょうか?

奨学金の利率は一般的に低い

実は奨学金は借金の中でも非常に利率が少なく設定されています。

例えば、借金地獄への入り口と揶揄されることも多いクレジットカードのキャッシングリボの利率は約15%程度(年利)ですが、2017年3月までに奨学金を借りた場合の利率は固定方式で0.33%、見直し方式で0.01%(※各方式の詳しい説明については、日本学生支援機構の公式HPをご確認ください)となっています。

また、奨学金の上限利率は3%と定められているため、どんなに利率が上昇しても3%を超えることはありません。

このように実は奨学金は金額が大きいという事や、自分自身が好き好んでした借金ではないという点を除けば、「借金」の中では比較的条件の良い借金と言えるのです。

奨学金の返済に困窮した時に検討すべき制度

奨学金がたとえ条件の良い借金であったとしても、実際に全返済者のうち約4.3%は返済に困窮しており、その内これまでに1万人以上の方が自己破産に追い込まれてしまったというのが実態です。

実は、奨学金を運営する日本学生支援機構には、返済に困窮した方のために次のような制度を設けています。

奨学金の返済に困窮したら、まずはこの制度の利用を検討しましょう。

奨学金の返還に関する制度 概要 利用期間
減額返還制度 災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難な方の中で、月々の約定金額を減額すれば返還可能である方を対象として、一定期間、1回当たりの割賦金を2分の1に減額し、その分の返還期限を延長する制度です。 12ヶ月(6ヶ月分の割賦金を12ヶ月で返還)で最長10年(120ヶ月)まで
返還期限の猶予制度 災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合に、願出により返還期限を猶予する制度です。 通算10年まで
返還免除制度 死亡、精神・身体の障害によって返還ができなくなった場合に、願出により返還を免除する制度です。このほかに、大学院で受けた第1種奨学金については、「特に優れた業績による返還免除制度」を設けています。
     

【参考元:独立行政法人日本学生支援機構「IR資料」

奨学金の返済に困ったらまずやるのは現状分析と現状報告

奨学金の返済に困ったら、まずは自分自身の毎月の収支状態、資産状態を確認することから始めましょう。

自分自身の現状を確認し、「奨学金の支払額を減らせば払えるのか?」「奨学金の支払いを一時的に待ってもらえれば払えるのか?」を確認します。

もし奨学金の支払額を減らせば払える場合には、日本学生支援機構に電話して自分自身の今現在の状況と奨学金減額返還制度の適応を申し出ましょう。

また、奨学金の支払いを一時的に待ってもらえれば払える場合には、同機関に自分自身の状況と返還期限の猶予制度の適応ができないかを申し出ましょう。

奨学金は利率が借金の中ではそれほど高くないため、クレジットカードのショッピングリボやキャッシング、カードローンなどに比べて将来的に残債が予想以上に大きく膨れ上がることはありません。

そのため、まずは自分自身が奨学金を返済できない事実をまず受け入れること。そして、日本学生支援機構に自分の現状と、その状況がどうすれば改善するのかをきちんと正直に話すことが大切です。「返せないものは返せない」といういい意味での開き直りの気持ちが非常に重要なのです。

一番やってはいけないことが、奨学金の無断での延滞です。延滞してから連絡するのではなく、延滞する前に奨学金を「払えなそうだ」ということをしっかりと相手側に伝えることが大切です。

奨学金を無断で延滞をすると、信用情報が焦げ付きブラックリストに乗ってしまう可能性もありますし、催促されてから連絡するという後追いの対応では、誠意が感じられず、通常であれば通る制度の適応ができなくなってしまったり、悪質な延滞者と見なされてしまう可能性もあります。

奨学金の返済にこまったらまずはこのような現状分析と日本学生支援機構へ「現状返せない」現状を報告することから始めましょう。

自己破産しても債務はなくならない?

自己破産すれば債務がなくなるというイメージがありますが、奨学金の場合それは正しくありません。

なぜなら自己破産しても、その債務は保証人である親に移ってしまうからです。

そのため、くれぐれも奨学金返済に困窮したからといって安易に自己破産という選択をしないようにしましょう。

会社の給料だけでは、奨学金の返済が難しくなってきている

なぜ現代になって奨学金の返済に困窮する人が出てきたのか、その根本的な原因を追求していくと、もはや「会社の給料だけでは奨学金の返済が難しくなってきている」現状が見えてきます。

消費税増税や、今後のインフレなどによる物価の上昇、社会保険料の増加など今後さらにその状況は悪化していくと思われます。

そのため、今現在奨学金がギリギリ返済できていても後々返済が難しくなってくる可能性が十分考えられます。

もし今少しでも奨学金返済について「きついな」と感じているのであれば、まずは少しずつでも給料だけではない収入や、資産を増やす方法について考えてみることが大切です。

ファイナンシャルラボでは、会社員や公務員が無理なく収入や資産を増やしていくための様々な情報を発信しています。

もし、この機会に、一度そういった投資や資産運用、副収入などについて勉強を検討してみてはいかがでしょうか?