もしリストラにより解雇されてしまったら?リストラへの不安を取り除くために知っておくべきこと
大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表
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たとえ大企業であったとしても、経営悪化によっていつ倒産するか、リストラや年収減が行われるかも分からない時代です。
誰もが知る大企業であったT社が数千億規模の巨額損失の発生により経営危機に陥り、多くの社員がリストラや収入減を余儀なくされたことや、台湾の企業に買収された大企業S社の大規模リストラは記憶に新しいと思います。
また、近年は黒字倒産する企業も多く、「自分のいる会社がリストラのない100%安泰な会社だ」とは言えない世の中になってきています。
いつこういった事態に陥ってもすぐに対策ができるように、今会社が安泰であるうちからしっかりと知識を蓄え、備えておく事が何より大切です。
本記事では、もし明日リストラをされてしまっても焦る事のないように、知っておくべき知識と対処法をご紹介いたします。
目次
そもそもリストラとは?
リストラは「再構築」を意味するRestructuring(リストラクチャリング)の略語で「企業の人員を事業規模に合わせて再構築すること」を意味します。
日本では、リストラの一環で従業員の解雇を行うことが多かったために、「企業都合による一方的な解雇」がリストラだというイメージがついていますが、本来の意味は違います。
例えば収益性の悪い事業を廃止し、収益性の良い事業の人員を増やす事や、収益性を高めるために人員を育成したり、モチベーションの向上を行うこともリストラの1つです。
つまりは、人員削減は企業のリストラの1部分であって、すべてでは無いということです。
しかし、実際は「企業都合による一方的な人員削減」がリストラとして行われることが多いのが現状です。
主に会社にとってコストが一番かかる40代の管理職などがリストラの対象になりやすいと言われています。
もしリストラにより解雇されてしまった場合には?
リストラによる解雇は現実問題、覆すことは難しいと言えます。
そのため、もしリストラにより解雇を言い渡された場合には、より自分にとっての好条件で、次に繋げやすい退職を考えるべきです。
リストラを言い渡された時にまず心がけたいのが「その場で判断してはいけない」ということです。
リストラを言い渡された時には、ほとんどの人が冷静ではいられません。
そのため、自分に有利な判断ができない状況での明確な回答は避け、一度持ち帰って冷静にどうすべきかを考えてから回答するようにしましょう。
中には「あなたのため」と言って情に訴えかけるような言い方をする場合もありますが、いずれにしろ一度持ち帰るのが最善の策です。
リストラをされた場合に、心配になる主なポイントが以下です。
- 会社都合にすべきか、自己都合にすべきか?
- 退職金はもらえるのか?
- 失業手当の支給開始日と支給される期間?
この他にも退職時期や転職活動など、心配な点はたくさんあると思いますが、まずは一番重要なこれらについて、どのように対応すべきなのかを詳しく解説いたします。
会社都合か、自己都合か?
リストラによる解雇には「会社都合」と「自己都合」の2種類があります。
会社都合とは、会社が一方的な理由でリストラしたということであり、会社にとってそういった社員を出したことは不名誉にあたります。
また、リストラ後に解雇した社員が訴えた場合に「会社都合」では、そのままトラブルに発展するリスクもあり、あまり会社としては「会社都合」での退職者を出したくないのが本音です。
一方で、自己都合とは「一身上の都合で会社をやめる」ということであり、もしリストラされた後に訴えたいことがあっても「あなたの自己都合でやめたのだから」と自分に有利な交渉する事が一切できなくなります。
そのため「会社都合」でやめるのが良いと言えます。
稀に「会社都合でやめると転職に不利と言われ怖くなって自己都合にしてしまう」というケースもありますが、近年、そこはあまり影響がないと言われています。
退職金はもらえるのか?失業保険は?
リストラによる解雇が自己都合か会社都合かによって、退職金の額や、失業保険の支給開始日や支給期間も次のように変わってきます。
このあたりもよく考えて「自己都合」ではなく「会社都合」で退職した方が良いと言えます。
退職金 | 失業保険支給開始日 | 失業保険支給期間 | 失業保険最大支給額 | |
会社都合の場合 | 満額、又は上乗せの可能性がある。 | 退職後、ハローワークに離職票を提出した7日後 | 90〜330日 | 約118万円 |
自己都合の場合 | 会社によるがおおよそ本来の5〜6割程度になる。※ | 退職後、ハローワークに離職票を提出して7日+3ヶ月後 | 90〜150日 | 約260万円 |
【※参考元:ハローワークインターネットサービス】
倒産による解雇の場合には?
リストラだけではなく、自社の倒産にも気をつけなければなりません。
近年、黒字倒産となってしまう会社も増えてきています。倒産による解雇の場合には「清算型倒産」か「再建型倒産」かによって退職金や失業保険などの考え方が変わってきます。
次の記事に詳しく解説しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。
いつ何が起きても大丈夫な事前対策が大切
いつリストラされるのか、また倒産によって解雇となってしまうのか、その可能性はわかりませんが昔よりもその可能性が高くなってきています。
いつあなたがその対象となってしまうかも分かりません。
もしそうなった時に慌てる最大の原因は「金銭的な不安」によるものです。
そういったリストラや解雇の不安に毅然とした態度で対処するためには、リストラや解雇によってもたらされる金銭的な不安を和らげておく必要があります。
つまり、「いつ何が起きても大丈夫」という状況をいかに作っておくかが大切なのです。
そのためには、会社が健全である今からコツコツと会社の給料以外の収入を資産運用で作るという選択肢を検討することが最適と言えます。