このまま貯金で資産を保有し続けるリスクとは?貯金から貯蓄の時代へ
大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表
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銀行の定期預金の金利が0.01%と低くなっている上、年金制度の崩壊や消費税増税、インフレなど将来への不安から資産運用の必要性が叫ばれている今でも未だ貯金で資産を保有する人の割合が多い状態です。
2017年8月18日に日本銀行調査統計局により発表された「資金循環の日米欧比較」によれば、個人の金融資産に占める「現金・預金」の割合は、米国で13.4%、ヨーロッパで33.2%であるのに対し、日本は51.5%と群を抜いて多いことがわかります。
【引用元:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」】
なぜ日本はこれほど根強く貯金神話が残っているのでしょうか。
また、本当にこのまま貯金で資産を保有し続けて、将来の資産形成を行う事ができるのでしょうか。
貯金をすることで発生するリスクと共に説明していきます。
「貯金は大事」と言う親世代が多い本当の理由
親世代の人はなぜ口を揃えて「貯金が大事」と言うのでしょうか。
その最大の理由は定期預金の金利にあります。
定期預金とは、ある一定期間銀行にお金を預けておくと、一定の利息をつけて返してくれるという資産運用の1つです。
利率の低さから今では貯金は資産運用ともみなされなくなってしまいましたが、私たちの一番身近にある資産運用方法と言っても良いでしょう。
【参考元:日本銀行「金融経済統計月報」】
実は親世代が若かった1980年代〜1990年代は定期預金の金利が平均1%以上と高く、中には年利20%以上もついていた銀行もあったと言います。
つまり、親世代が若かった時代には貯金をすることで十分な資産運用ができていたのです。
また、消費税も安く、さらには社会保障制度もしっかりしていた時代です。
こういった時代を生きてきたと言う事が、親世代が「貯金は大事」だと口を揃えて言う大きな理由の1つです。
そのため親の言うことは聞くな!という内容の書籍や、ネット記事などが多くあがっていますが、その背景にはこういう理由があるという訳なのです。
今は貯金だけでは負ける時代
その時代、その時代の流れに合わせた資産運用にシフトしていかなければ、将来の資産形成どころか、今現在の資産をただ減らしてしまう結果になってしまいかねません。
確かに親世代は貯金だけで時代は変化し、今ではメガバンクの定期預金の金利は0.01%、普通預金などは0.001%という超低金利が続いています。
つまり貯金では資産運用ができない時代になってしまったという事です。
昨年日本銀行の黒田総裁がインフレ率2%という目標を発表しましたが、今後はインフレが加速し、貯金だけではただ資産が目減りしてしまう可能性があります。
インフレ率2%とは、言い換えれば物価が上がり、貨幣の価値が2%下がるという事です。
例えばもしあなたの貯金が300万円あったとすれば、今は300万円の価値のあるものが購入できますが、今後は2%価値が目減りしてしまうため、同じ300万円であっても294万円の価値のものしか購入ができなくなります。
2%と聞くと小さく思えるかもしれませんが、実際には非常に大きなインパクトが想定されています。
今現在政府が国民に資産運用の必要性を訴えていますが、これには「これからインフレ政策によってインフレが加速するよ!だから資産運用やってないと損をしてしまうよ」という警鐘の意味も含まれているのです。
貯金から貯蓄へ
インフレが進めばどんどんみなさんの貯金は目減りしていきます。
そういった事を食い止める意味でも、目減りしていく貯金から目減りしない、もしくは目減り分のリターンが期待できる貯蓄(貯金、預金、不動産、株式など資産の総称)へシフトがこれからの時代、必要不可欠になってきます。
例えば、日本人の平均年収は香港人の平均年収の約1.5倍なのに対し、60歳以上になると金融資産額で香港人に負けると言われています。
これは、日本人が貯金を重視する一方で、香港では資産運用が日本の貯金のように当たり前に行われているためです。
このように、今後は貯金から貯蓄へと少しでもシフトさせていく事が将来の資産形成において大切です。
まずは資産運用の勉強から!
資産運用が必要と言われても、中にはどんな資産運用をしたらいいのかが分からないという方も多いと思います。
そんな方は、次のようなステップで資産運用プランを立て、実行していくことが大切です。
- 資産運用について知識をつける
- 資産運用の戦略を立てる
- 資産運用の資金創出
- 資産運用の実行
特に大切なのが、「1、資産運用について知識をつける」というステップです。
今現在世の中には資産運用の方法がごまんとあります。
その中から自分にとって最適な資産運用方法を選び実行していかなければなりません。
また、こういった知識のないままにただ「利率」などだけで選んでいると、悪い業者に騙されたり、目先の価格の上下に踊らされて思わぬ損をしてしまう可能性もあります。
そうならないためにも、しっかりと資産運用の知識をつけていくことが大切です。
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ファイナンシャルラボをきっかけに、少しでも今のうちから資産運用の勉強を初めていきましょう。