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2018年6月21日

株式投資初心者のための分かりやすいP/L(損益計算書)の見方、読み方

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大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

株式投資を行う際に、重要なのがどういった企業に投資すれば損しないかを判断する能力です。

なぜなら、株式は企業が倒産してしまえば、紙切れになってしまうからです。

その能力の1つが、企業の決算書をしっかり読み込み、その企業が今どんな状態で、将来的に伸びるのか、またもし業績が傾いた時にそれを乗り切る体力が企業に備わっているかを見極めることです。

今回はそんな企業の決算書の1つである、P/L(損益計算書)について、どこを見れば良いのか?どういう判断をすれば良いのか?などを初心者にも分かりやすくご紹介いたします。

P/L(損益計算書)とは?

P/L(損益計算書)とは、企業の経営成績を表した財務諸表の一部です。

P/Lの表では、費用・収益にあたる勘定科目の数値が集計されています。

なお、主な勘定科目は下記の通りです。

費用の勘定科目

  • 売上原価
  • 通信費
  • 交通費
  • 支払利息
  • 雑費 

etc

収益の勘定科目

  • 売上
  • 有価証券売却益
  • 受取利息 

etc

例えば、費用の勘定科目を全て足した金額が「100万円」、収益の勘定科目を全て足した金額が「120万円」の場合、損益計算書には当期純利益として「20万円」が記載されます(いわゆる黒字額です)。

逆に、収益のトータル金額<費用のトータル金額となった場合は当期純利益ではなく「当期純損失(いわゆる赤字)」が記載されます。

「黒字(赤字)」になった理由を分析(推測)できるため、多くの株主にP/Lが利用されているのです。

株式投資において見るべきポイントは5つの利益と3つの利益率

P/Lを活用することで、株式投資がうまくいくこともあります。

ただし、P/Lを細かく分析しなければ上手な活用法だとはいえません。

ここからは、P/Lで注目しておきたいポイントについて紹介します。

売上総利益

売上総利益は、売上高から売上原価を引いた金額を指します。

ちなみに売上原価とは、販売する商品を製造したり仕入れたりするときに発生した原価です。

例えば、商品を仕入れて販売する業者の場合、下記公式を使用して売上原価を計算するケースが多いです。

「商品期首棚卸高(期首に残っていた商品在庫金額)+当期仕入高(期中の商品仕入代金)-商品期末棚卸高(期末に残った商品在庫金額)」

売上総利益が高ければ良い会社だと言いたいところですが、それだけでは判断できません。

なぜならば、売上高に対する売上原価の割合は異なるからです(売上原価の割合は低いほど費用がかかっていないため、株主から稼いでいる企業だと思われやすい)。

売上総利益の中身を分析するときに役立つのが、次で紹介する「売上総利益率」です。

売上総利益率

売上総利益率は粗利益率を求めるときに使用します。

公式は「売上総利益÷売上高」で、良い投資先の確率が高いです。

売上総利益が100万円、売上高が400万円だった場合は「100万円÷400万円」で25%が売上総利益率です。

つまり、売上総利益がマイナスだと売上総利益率もマイナスになるので注意してください。

営業利益

営業利益は、売上総利益から販管費(販売費および一般管理費)を引いた金額を指します。

販管費とは、営業活動にかかった費用(人件費、広告宣伝費、出張費、通信費など)を指します。

一言で言うと、本業のビジネスで発生した(例.飲食業であれば、飲食のみで発生した利益がどのぐらいあるのか?)利益額が分かるということです。

売上高営業利益率

売上高営業利益率は、本業における営業活動がスムーズに行われたか判断するときに使われます。

公式は次の通りです。

売上高営業利益率=営業利益÷売上高

数値が高いほど、良い投資先といえるでしょう。

営業利益が500万円、売上高が4000万円の場合「500万円÷4000万円」で12.5%が売上高営業利益率です。

ちなみに、10%を超えると超優良企業である可能性が高いです。

経常利益

経常利益は、営業利益から営業外収益を加え営業外費用を引いた金額を指します。

つまり、本業以外の収益・費用も含まれているということです。

例えば、家電量販店の例に考えてみましょう。

家電量販店の本業は、家電など商品の販売です。

つまり、売り場の商品販売で発生した収益・費用は本業なので営業利益で計算されます。

しかし、「自社の株式を売却して利益が発生した」、「自社所有の備品を売却して損失が出た」、「自社の口座上で受取利息が発生した」などは本業と関係がないため、営業利益には含まれず経常利益ではじめて計上されるのです。

なお、営業外収益、営業外費用には主に下記勘定科目があります。

営業外収益

  • 受取手数料
  • 受取配当金
  • 受取利息
  • 固定資産売却益
  • 為替差益 

etc

営業外費用

  • 支払手数料
  • 支払利息
  • 固定資産売却損
  • 為替差損

etc

つまり、経常利益を見れば「本業+本業以外」でどのぐらい稼いだのかが分かるのです。

経常利益に関しても、金額は多い会社であるほど安心できます。

ただ、経常利益額の数値が大きくても営業利益がマイナスだった場合、本業で損失が出ているということなので気を付けましょう。

売上高経常利益率

経常利益が売上高の何%を占めているか算出するときには次の計算式が使用されます。

売上高に占める形状利益の割合=経常利益÷売上高

仮に、経常利益額が50万円、売上高が500万円であれば「50万円÷500万円」で、売上高経常利益率は10%です。

こちらの率も数値が高いほど良い会社だといえます。5%を超えている企業は優良企業だと思って良いでしょう。

税引前当期純利益

税引前当期純利益は、経常利益額に特別利益を加え特別損失を加えた段階の利益を指します。

なお、特別利益・特別損失とは「その期のみで発生した利益(損失)」だと思っていただけると良いでしょう。代表的な勘定科目は下記の通りです。

特別利益

  • 前期損益修正益

特別損失

  • 固定資産除却損
  • 前期損益修正損

また、当期純利益の前に「税引前」と付いているため、法人税・住民税・事業税などが差し引かれる前の額(=税金が全く引かれていない額)です。

よって、最終的な会社の利益ではないということです(経常利益の額は大きい方が良い会社だといえます)。

当期純利益

当期純利益は「法人税、住民税及び事業税」、「法人税等調整額」を足し引きして算出された会社の最終的な利益です(※損失の場合は当期純損失)。

もちろん、赤字よりは黒字額が多い会社の方が良い会社だと思われるケースは多いです。

ただ、仮にマイナスでも「新規事業への設備投資」など、前向きな理由で赤字になった場合、株主からの印象が良ければ値下がり幅は小さくなるでしょう。

こういう企業が投資先としておすすめ!

投資先を選ぶときに大事にするポイントは2つです。

1つは、「営業利益」の値が大きいかどうかです。

本業で稼ぎ続けている会社であれば、本業が世の中に認められ続けているといいえます。

逆に、営業利益の額が小さい(下がり続けている)場合は、本業が世の中に必要とされていないケースが高いため、怪しんだ方が良いでしょう。

2つ目は、借入金の額が小さい会社です。

借入金の額が小さければ、借金の返済額も小さいため事業の調子が悪くなっても、リカバリーは多少きくでしょう。

しかし、多額の赤字を抱えているのに多額の借入金がある会社だと、会社を存続させられるか怪しいです。

とくに、1年以内に返済しなければならない「短期借入金」の値が大きい会社だと、返済できなくなり倒産する確率が上がるため気を付けましょう。