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2018年7月7日

【徹底解説】積立投資にかかる税金はどれくらい?どのように納めればいいの?

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大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

積立投資は毎月一定額の投資を地道にし続け、コツコツ利益を積み上げていくことで、20年後、30年後に大きな資産形成が可能になる「時間を味方につけた投資」として人気の投資手法です。

特に毎月3,000円という少額から始められることや、リスクの少なさなどから会社員や公務員など、「大きな資金を出すのは難しいが毎月一定額であれば出し続けられる」という安定収入を得ている方に人気です。

しかし、積立投資でつい見落としがちなのが税金です。

積立投資は投資というよりも貯金のような感覚が強く、つい忘れてしまいがちですが、積立投資も立派な投資ですから、あがった利益に対してきちんと税金を納めなければなりません。

では一体どれくらいの税金を、どのように納めれば良いのでしょうか。

今回はそんな積立投資の税金について分かりやすく解説いたします。

積立投資でかかる税金の種類

まずは積立投資のどのような利益に税金がかかってくるのかを解説します。

積立投資を行うと次の2つの利益が生じます。

・保有している金融商品の分配金(インカムゲイン)

・保有している金融商品の売却利益(キャピタルゲイン)

この2つの利益に対して次の税金がかかってくると思っていただければ問題ありません。

  • 所得税(15%)
  • 住民税(5%)
  • 復興特別所得税(0.315%)

発生した利益の20.315%を税金として納めることになります。

売却利益にかかる税金

例えば、200万円の金融商品を購入し、30年後に300万円で売却したとすれば、売却した時点で100万円の利益が出ています。

この場合、次のような計算で税金額を算出します。

利益額(100万円)×20.315%=20万3,150円

一方で、200万円の金融商品を購入し、10年後に180万円で売却したとすれば、売却した時点で20万円の損失です。

その場合には、税金は発生しません。

また、この損失分は最大で3年間繰越をして計上することができます。

つまり、1年目に20万円の損失が出て、2年目に30万円の利益がでたとすれば、1年目のマイナス分と2年目のプラス分が合算されて、2年目の利益額は10万円となります。

分配金にかかる税金

金などの積立投資の場合には、売却利益しかありませんが、ファンドなどを購入した場合には「分配金」がもらえるものがあります。

この分配金は立派な利益にあたるので、この分配金について20.315%の税金がかかってきます。

また、分配金には「普通分配金」と「特別分配金」の2種類があり、特別分配金には税金がかかりません。

少し複雑なので、分かりやすく解説いたします。

普通分配金にかかる税金

普通分配金とは、次のような分配金のことを言います。

普通分配金とは、分配金が支払われた際、分配落ち後の基準価額が個別元本(※)と同額または上回る場合をいい、全額が所得税、住民税の対象となります。
※個別元本とは、追加型株式投資信託において、お客様が保有されているファンドの取得時の平均投資元本で、解約・償還時の税額計算の基礎となります。同一ファンドを同一預り区分で複数回購入した場合は、そのつど個別元本の計算(加重平均による再計算)が行われます。また元本払戻金(特別分配金)を受け取った場合にも調整されます。

【引用元:三井住友銀行『みなさんの疑問にお答えします「分配型ファンドQ&A」』】

簡単に言えば、9,000円で購入したファンドが、決算日に11,000円に値上がりし、1,000円分の分配金が支払われた場合、9,000円の元本に分配金1,000円を加えても、値上がりしたファンドの基準価額には到達しないので、1,000円分丸々得をしているという事になります。

よって、この1,000円は課税対象の普通分配金となり、この1,000円分の税金が発生してしまいます(※年間利益総額が20万円を超えない場合には税金はかかりません)

特別分配金(元金払戻金)にかかる税金

特別分配金とは、次のような分配金のことを言います。

元本払戻金(特別分配金)とは、分配金が支払われた際、分配落ち後の基準価額が個別元本(※)を下回る部分に相当する金額をいい(残余の部分は普通分配金)、非課税となります。
※個別元本とは、追加型株式投資信託において、お客様が保有されているファンドの取得時の平均投資元本で、解約・償還時の税額計算の基礎となります。同一ファンドを同一預り区分で複数回購入した場合は、そのつど個別元本の計算(加重平均による再計算)が行われます。また元本払戻金(特別分配金)を受け取った場合にも調整されます。

【引用元:三井住友銀行『みなさんの疑問にお答えします「分配型ファンドQ&A」』】

簡単に言えば、9,000円で購入したファンドが、決算日に8,000円に値下がりし、1,000円の分配金が支払われた場合には、1,000円の分配金を貰ってもファンドが1,000円値下がりしているので、プラスマイナスゼロということになり、分配金の1,000円は9,000円の元本から払い戻されたとされ、非課税の元金払戻金(特別分配金)となります。

また、9,000円で購入したファンドが、決算日に8,500年に値下がりし、1,000円の分配金が支払われた場合には、トータルで見れば、購入者は値下がりによって500円損していますが、1,000円の分配金があるので、500円のプラスになっています。

この場合には、分配金1,000円のうち、500円が課税対象の普通分配金、もう500円が非課税の特別分配金となります。

また、注意したいのが、特別分配金(元金払戻金)が発生した場合には、元金が払い戻されている訳なので、その分元本は減ります。

つまり、上記のような場合には、次のように元本が修正されてしまうという事になります。

  • 9,000円→8,000円、1,000円分配金の場合:元金は8,000円に下がる
  • 9,000円→8,500円、1,000円分配金の場合:元金は8,500円に下がる

積立投資でかかる税金の計算は自分でやらなければならないの?

基本的には、積立投資でかかる税金の支払い方法は、開設した口座の種類によって変わります。

口座には次の3つのタイプの口座があり、それぞれ税金の支払い方が違います。

  • 特定口座(源泉徴収有り):販売会社が年間損益を計算し、源泉徴収を行う
  • 特定口座(源泉徴収無し):販売会社が年間損益を計算し、投資家が自分で確定申告を行う(※資料など販売会社側がサポートしてくれることがほとんど)
  • 一般口座:投資家自身が年間損益を計算し、投資家が自分で確定申告を行う

自分で計算や税金の支払いをするのが面倒であれば、「特定口座(源泉徴収有り)」を選択すれば、勤め先のように源泉徴収のみで税金の支払いが行えます。

しかし、積立投資で得た利益が20万円以下の場合には、通常確定申告をする必要がなく、税金を納める義務がありません。

しかし、「特定口座(源泉徴収有り)」にしてしまった場合には、本来納税しなくて良い分の税金を支払うことになってしまうので、その点だけ注意しましょう。

なお、通常源泉徴収で納めた納税に関してはのちに還付が受けられるのですが、この「特定口座(源泉徴収有り)」を選択した場合、それが受けられません。

年間利益が20万円を確実に超える人のみ「特定口座(源泉徴収有り)」、20万円以下になる場合には「特定口座(源泉徴収無し)」を選択するようにした方が良いと思います。

会社にバレる原因は税金!会社にバレないためにはどうすればいい?

積立投資をやろうと考えている方の中には、「会社にバレてしまったらどうしよう・・・」と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ご安心ください。

会社の就業規則に規定されているのはあくまで「副業」です。

副業とは、いわゆる会社以外に仕事をすることであり、積立投資など資金を運用して利益をあげる資産運用に関しては、副業になりません。

そのため、会社にバレるかバレないかは資産運用の場合にはきにする必要はほとんどありません。

ただし公務員の場合にはそのあたりが規制されている場合もあるので、上長などに確認しておくと良いでしょう。

積立投資の税金を減らす(節税)方法

積立投資は「時間を味方につけて、小さな利益をコツコツと積み上げていく投資手法」です。

そのため、いくら20,135%と言っても馬鹿になりません。

いかに税金がかからないようにして、利益を残すかが重要になってきます。

積立投資の節税方法としては、次の2つの方法があります。

どちらも最近話題になっていたり、開始されたものだったりするので、馴染み深いという方も多いのではないでしょうか。

損益通算をする

先ほど少しご紹介しましたが、積立投資で損失を被ってしまった場合、その損失は最大3年間引き継ぐことができます。

これを損益通算と呼びます。

例えば、1年目にマイナス100万円の損失を被ってしまった場合で考えてみましょう。

2年目に30万円の利益があがった場合には、1年目の100万円の損失から30万円が合算されて課税対象の利益は0円になります。

つまり2年目は損益通算により損失が繰り越されているため、税金がかかりません。

3年目に50万円の利益があがった場合にも、まだ1年目の損失は2年目の30万円を差し引いても70万円分残っているので、合算されて課税対象の利益は0円になります。

4年目に30万円の利益があがった場合には、繰り越されている損失分20万円が合算されて、ようやくここで10万円分の利益に対して課税されることになります。(※この場合20万円以下なので確定申告の必要がありません)

このように損失を繰越すことで税金額を減らすことができます。

つみたてNISAを活用する

つみたてNISAは2018年に始まったばかりの積立投資を対象にした「少額投資非課税制度」です。

NISA口座を開設し、金融庁に認可された銘柄を取引し、あがった利益に対しては年間40万円まで非課税にしますよ、という制度です。

また最大20年使えるので、トータルで800万円分の利益に対して非課税にすることが可能なお得すぎる制度なのです。

しかし、取引できる銘柄が限られていたり、NISA口座と他の口座の損益通算ができないなど、少し不便な部分もあります。

しかし、NISA口座内で取引できる銘柄を買おうと思った場合にはぜひ使いたい制度と言えます。

「つみたてNISA」については次の記事にて詳しく解説してありますので、そちらも合わせてご覧ください。

>>「最近話題のつみたてNISA(積立NISA)とは一体何?資産運用のプロが徹底解説」

確定拠出年金を活用する

確定拠出年金も近年になって、個人向けのものが解禁され、一般的に広く知られるようになったものです。

確定拠出年金とは、積立投資のように毎月定額を出し運用を行い、老後の資産形成を手助けする制度です。

確定拠出年金を行った場合には、毎月出す金額はすべて所得控除対象になります。

つまり、積立投資であがった課税対象の利益を見かけ上減らすことができるので、大きな節税対策となります。

しかし、60歳まで引き出せないため、「老後の資産形成」という目的が無い限りはデメリットの方が大きいと言えます。

よく考えて活用するようにしましょう。

国も積立投資を積極的に推奨している!

つみたてNISAや確定拠出年金など、今現在積立投資を対象にした税制度が積極的に施行されてきています。

これは国自体が、個人の資産運用を積極的に推進している事が背景としてあります。

投資と言うとなかなか資金が捻出できないなど、会社員や公務員などには参入が難しい面がありましたが、積立投資についてはむしろ大きな資金はなくとも安定した収入を得ることができる方にとって有利な投資手法です。

このように、今は積立投資をするには良い環境が整ってきているので、始めるなら今がチャンスと言えます。

仮想通貨やソーシャルレンディングなどの大きく稼げる新しい投資手法も魅力的ではありますが、こういった積立投資でコツコツ土台を積み上げていくことも大切です。

うまくリスク分散をしながら、積立投資のこういった税制度を活用し、有利に資産形成をすすめていきましょう!