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2018年2月7日

仮想通貨で得た所得に税金はかかる?課税対象になるタイミングなど

仮想通貨で利益が出たら税金はどうなるの?_001
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大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

大石武@個人投資家・ファイナンシャルラボ代表

普段は個人投資家として活動しつつ、「日本人の金融リテラシーを向上させる」ことを使命として投資教育メディア『ファイナンシャルラボ』を運営しております。山口県下関市出身。

投資の対象としても注目されつつある、仮想通貨ですが、もしも利益が出た場合、税金を納める必要があるのかどうかは投資家として気になるところです。

仮想通貨はインターネット上のお金であり、国が発行しているわけではありません。
果たして仮想通貨には税金はかかるのでしょうか?

このページでは仮想通貨と税金の関係について考察してみたいと思います。

そもそも仮想通貨に税金はかかるのか

まず結論ですが、仮想通貨に税金はかかります

残念ですが、仮想通貨で得た所得は課税対象となります。
しかし、いくつか特殊な考え方がありますので早とちりしないようにしっかり理解しておきましょう。

まず仮想通貨によってあがった利益は、数ある所得の種類のうち「雑所得」に当てはまります。
雑所得とは以下のような所得を指します。

  • 国民年金、厚生年金、公務員の共済年金、恩給などの所得
  • 原稿料や講演料、生命保険の年金など他の所得に当てはまらない所得
  • 業(事業規模を除く)として行う、株式等を譲渡したことによる所得や先物取引に係る所得
  • 公社債の償還差益のうち、一定の割引債の償還差益などの所得

【参考元:国税庁公式HP「所得の種類と課税方法」

また、仮想通貨を得た手段によっては、得られた利益が「譲渡所得」に当てはまる場合もあります。

譲渡所得とは、以下のような所得のことです。

  • ゴルフ会員権や金地金、機械などを譲渡したことによる所得                   
  • 土地や建物、借地権、株式等を譲渡したことによる所得(株式等の譲渡については事業所得、雑所得となるものを除く)

【参考元:国税庁公式HP「所得の種類と課税方法」

仮想通貨は「雑所得」と「譲渡所得」に分類することをまず理解しておきましょう。
この所得に対して、税金がかかってくることになります。

後述しますが、雑所得と譲渡所得では、控除される額や納税する額を算出するための式が異なりますので、注意が必要です。

仮想通貨が課税対象になるタイミングとは?

実は仮想通貨は「保有しているだけ」では税金はかかりません。
不動産や自動車のような「保有資産として」はカウントされないようになっています。
では仮想通貨はどんな時に課税対象となるのでしょうか?

仮想通貨は、仮想通貨を他の通貨に換金したり、仮想通貨で物品を購入した場合に課税対象となります。

例えば、次のような場合に課税対象となります。

  • 仮想通貨を円やドルなどの法定通貨に換金した。
  • ビットコインとアルトコインをトレードした。
  • アルトコインの違う銘柄同士をトレードした。
  • ビットコイン(またはアルトコイン)対応の店で買い物をした。

また、ビットコイン(またはアルトコイン)といった仮想通貨で以下のように買い物をしても課税対象となってしまうことに注意が必要です。

ビットコインを20,000円分購入したところ、35,000円にまで値上がりしたとします。
そこで、ビッグカメラで30,000円の買い物をしました。
この場合、ビットコインが値上がりしたことによって得られた利益、つまり10,000円分に課税されることになります。

このような場合に、仮想通貨には税金が発生することとなります。

 

<TIPS>仮想通貨は換金しないかぎり税金がかからない?
仮想通貨は、購入しただけ、保有しているだけでは課税対象になりません。 つまり、他の通貨や物品と交換しなければ、納税する義務はないということです。 10年後、数十年後の値上がり益に期待して長期的な資産運用をしたい人は、利益を確定するその時まで、税金について心配する必要はありません。

仮想通貨所得の税金は確定申告する必要がある

基本的なことですが、まず確定申告とは何なのかについて押さえておきましょう。

確定申告とは、その年の1月1日から12月31日までに得た所得すべてを計算して作成した確定申告書を税務署に提出し、所得税の納税額を確定する手続きのことです。

給与所得者であれば、年末調整によって所得税が確定され、同時に納税が完了しますので、ほとんどの人は確定申告をする必要がありません。

ただし、以下の1〜7項目に該当する人は、確定申告をしなければいけないとされています。

  1. 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  2. 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  3. 2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与  所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  4. 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
  5. 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
  6. 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
  7. 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

【参考元:国税庁公式HP「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」

仮想通貨で利益を得た場合は、上記の2に当てはまります。

1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

仮想通貨で得た利益は所得として見なされますので、20万円以上の利益が出た場合には税務署に申告しなければいけません。

どのくらいの税金がかかるの?

仮想通貨で得た利益が雑所得にあたる場合も、譲渡所得にあたる場合も、所得税の税率は、給与所得等の他の収入と合算した所得金額によって設定されています。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 9万7,500円
330万円を超え695万円以下 20% 42万7,500円
695万円を超え900万円以下 23% 63万6,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

【参考元:国税庁公式HP「No.2260 所得税の税率」

実際に、例を挙げて所得税を計算してみましょう。

給与所得として年間に600万円を得ている会社員が、仮想通貨を売買して、年間に30万円の利益を上げたと仮定します。

この場合、所得の種類は「雑所得」に該当します。

雑所得の場合は控除額が設けられていませんので、全額、課税対象となります。

この場合、所得税を計算すると次のようになります。

(600万円+30万円)-42万7,500円×20%=117万4,500円

つまり、この会社員は、117万4,500円から源泉徴収税としてすでに納めた分を差し引いた額を納付することになります。

では、同じ人がマイニングをした報酬として年間に100万円のビットコインを獲得したとしたら、所得税はいくらになるのでしょうか?

この場合、所得の種類は「譲渡所得」に該当します。

雑所得と異なり、譲渡所得には50万円の特別控除枠がありますので、報酬として得たビットコインが50万円だったら、課税の対象にはなりません。

ただし、仮想通貨以外にも譲渡所得がある場合には、すべてを合算した額が50万円を上回っていれば、課税の対象となります。

この場合の所得税は、次のように計算できます。

{600万円+(100万円-50万円)}-42万7,500円×20%=121万4,500円

つまり、121万4,500円から源泉徴収税としてすでに納めた分を差し引いた額を納付することになります。

なお、雑所得の場合は総合課税となるため、給与所得と合算した所得金額によっては、税率が源泉徴収時より上がってしまう場合があることに注意してください。

例えば、給与所得として年間に650万円得ている会社員が、仮想通貨を売買して、年間に50万円の利益を上げたとしましょう。

所得金額が650万円の場合、税率は20%です。

しかし、これに仮想通貨で得た利益50万円が加わると、所得金額は700万円となり、税率は23%へと跳ね上がってしまいます。

この税率23%は、雑所得として加わった仮想通貨の利益50万円にだけでなく、すでに源泉徴収税を納めている給与所得にも反映されます。

このケースでは所得税は次のように計算できます。

600万円×-42万7,500円×20%=111万4,500円

源泉徴収税として111万4,500円をすでに納めていることになりますが、雑所得50万円が加わることによって、税率23%が適用され、給与所得にかかる所得税はは次のようになります。

600万円-42万7,500円×23%=128万1,675円

この128万1,675円と111万4,500円の差額16万7,175円を追加で納付しなければなりません。

さらに、雑所得の分にも税率23%が適用されますので、追加で次の税金も納付する必要があります。

50万円×23%=11万5,000円

仮想通貨における節税対策とは?

仮想通貨は基本的に「雑所得」に分類されるため、たとえ損をしたとしても株やFXのように損失を繰り越したり、他の利益と相殺したりすることができません。

またNISAのように非課税になるような仕組みも整備されていません。

そのため、仮想通貨で取引している会社員が節税を考える場合は、仮想通貨取引による利益を年間20万円以内(給与所得以外の全ての利益の合計であるため、他に副業で利益をあげている場合はそれも含む)に抑えるか、もしくはふるさと納税を活用するのがおすすめです。

ふるさと納税を行うと翌年の住民税から納税した額がそのまま差し引かれますので、所得税額が下がるわけではありませんが、納税する額全体としてはやや抑えることができます。

なお、2017年中に確定した仮想通貨の利益に対しては、2017年中に行ったふるさと納税が適用されます。

仮想通貨の税制の動向はこまめにチェックしよう

仮想通貨で年間20万円以上の利益を得た場合は、所得税がかかります。

さらに、仮想通貨で得た利益が雑所得に該当する場合は、損失と利益を差し引きする損益通算ができません。

換金した場合だけでなく、仮想通貨を使って買い物をするだけでも課税の対象になりますし、仮想通貨を取り巻く税金のシステムは、なかなかシビアと言えるでしょう。

そんな中、2017年7月より、仮想通貨を売買する際の消費税が非課税となりました。

これにより、今後、仮想通貨の取引市場が活発になっていくか否かが、注目されています。